▼概要

GHGプロトコルについて、基本情報や基準となるScope1〜3、重視されるようになった理由、取り組むメリットを解説します。

▼目次

質問内容: ①GHGプロトコルのScope1~3って何?

②なぜGHGプロトコルが重視されてきている?

③温室効果ガス排出量の可視化に取り組むメリットは何?

▼出演者の経歴 大阪大学 理学部物理学科卒、同大学大学院工学研究科 修士課程修了後 エネルギー系の商社(東証プライム市場)で、省エネ・創エネ提案、新規事業立上、営業企画運営、営業管理、設計、施工管理を6年間の在職中に実践した。 2015年ビジネスコンサルタントとして、SMCを設立し、多くの企業の脱炭素経営支援を行っている。 九州経済産業局 カーボンニュートラルアクセラレーションプログラム 専門アドバイザー、中小機構カーボンニュートラルアドバイザーを歴任し、脱炭素GXパートナーをサービスとして展開している。

▼トーク内容

≪インタビュアー≫
はい この動画は 脱炭素について合同会社GINの提供でお送りいたします。
本日のテーマは GHGプロトコルとは Scope1〜3や取り組むメリットについて解説していただきます
お相手は本日も合同会社GIN代表の中谷さんです よろしくお願いします

≪中谷氏≫
中谷です よろしくお願いします

≪インタビュアー≫
よろしくお願いします 早速ですけども GHGプロトコルについて
まず基本情報や基準となるScope1〜3とは何かというところを教えていただけますか

≪中谷氏≫
はい
GHGプロトコルというのは企業を対象とした温室効果ガス排出量の算定・報告に関する国際的な
基準です
GHGプロトコルの GHG はGreenhouse Gasからきてまして
平たく温室効果ガスですね 2011年の10月に公表されて以降世界共通の基準となっています
この中でScope1〜3、1、2、3は原料調達から消費・廃棄までのサプライチェーン全体の
温室効果ガスの排出量を3区分に分けたものです
各Scopeで計測した排出量の合計をサプライチェーン排出量というふうに言います
Scope1〜3なんですけど
Scope1っていうは事業者自らによる温室効果ガスの排出量というものです
具体的に言うと燃料の燃焼や工業プロセスの温室効果ガスを対象としまして
とんでもなくわかりやすく言うと
食品製造業で重油を焚いて煮炊きするとかガスを焚いて煮炊きするといったようなことや
工業炉を持っているところでそこも重油を焚いて炉の加熱をするといったものが挙げられます
Scope2では電気や熱の利用に伴う排出量というもので
こちらも同じように自社で使ってるエネルギーですね
それに対する排出量でわかりやすく言うと電気が一番わかりやすいですね
色んな機械とか室内照明とかで電気というものを使うと思いますが
二次的に 間接的に排出したCO2も温室効果ガスの排出量というのを対象としています
今度 残りはScope3というとこれは自社から離れて外部です
原材料の生産や輸送、製品使用などによる製品の使用ですね
などによる排出量というのが挙げられます
かなり 項目が分かれてまして原材料とか輸送や配送あと社員の通勤とか出張、製品を
作った場合に製品の使用をするところから廃棄するところまでといった多岐にわたる
自社では排出していないけれどもサプライチェーン上の排出量というのを考えます

≪インタビュアー≫
はい ありがとうございます ではこのGHGプロトコル
これが重要視されているという理由も教えていただけますか

≪中谷氏≫
そうですね GHGプロトコルが重要視されるようなったのは
気候変動の深刻化が非常にあったりとか SDGsですね の推進っていうのが世界的に進められて
企業に求められる責任が増大しているためです
環境に関する国際的な規制が強化される中で各企業には
事業に伴う温室効果ガス排出量を可視化することが非常に迫られています
具体的に言うと SBTというのを日本企業もかなりとっていますが
まあそういったところには GHGプロトコルというのが使われるという形になります
世界の主要なサプライヤーに対して脱炭素に向けた取り組みを求める動きがかなり広がってまして
一例とてはアメリカのアップル社ですね
アップル社はサプライヤーに対して2030年までにカーボンニュートラルにすることへの期待を示している
こうした動きから望むか望まないかにかかわらず GHGプロトコルをはじめ脱炭素に向けた取り組みに注力せざるを得ない状況になってきています
中小企業においてもそういったことは他人事ではないというような状況になっていると思います

≪インタビュアー≫
はい ありがとうございます 中小企業であっても発注元がこのScope1~3を取り組むために温室効果ガスの総排出量の可視化を求められることが今後増えそうですね
ただ受け身ではなく主体的にですね 取り組むことが大事だと思うけれども
この温室効果ガスの排出量の可視化 これをですね取り込むとどんなメリットがあるかも教えてもらえますか

≪中谷氏≫
はい GHGプロトコルに基づいた可視化をすることによるメリットは4点あげられると思います
1点目は目標設定等に活用できるという点 
2点目が企業の信頼度が向上するという点
3点目が削減対象を明確にできるという点
そして4つ目は 製品の差別化につながるという4点だと思います
1点目の目標設定に活用できるっていうのは 自社の排出量というのを明確にすることによって国際認証SBT:Science-based Targets というのがありますが これに基づいた目標設定に活用することがあって 脱炭素経営につながります
2個目のメリットとして企業の信頼度が向上する これはカーボンフットプリントとLCAとかと似たようなところですけど自社の排出量を公開することで環境への取り組み姿勢を示すことができて取引先とか投資家など社外からの信頼度を向上することできる
したがって これによってビジネスチャンスの拡大っていうのもあり得るというふうに思います
3点目が削減対象を明確にできることで これはメリット1にも近いんですが
自社のサプライチェーン全体におる総排出量と各排出源の動向を把握することでどこを一番ポイントとして排出量を削減できるかっていうのを明確にすることができるということになります
4つ目が製品の差別化につながるということで 自社の製品ですね
先ほど SBT 大企業 日本もかなりとっているという話がありましたが今後それを実行していかなきゃならない状態になっていくわけで その中で自社の製品が競合他社と比べて排出量が少ないというふうにすれば取引先や一般消費者に対しての脱炭素貢献にアピールすることができてそれ自体が製品の差別化につながるというふうに考えられます

≪インタビュアー≫
はい よくわかりました ありがとうございます
今回教えてもらったこのメリットを踏まえて温室効果ガス排出量の可視化を積極的に取り組んでいきたいですね

≪中谷氏≫
そうですね 当社においてもCO2の排出量の算定等やっておりますので気軽にご相談いただければというふう思います

≪インタビュアー≫
はい ありがとうございます
本日もわかりやすく説明していただいてありがとうございました 

≪中谷氏≫
今日もありがとうございました