▼概要
ネガティブエミッション技術:カーボンネガティブコンクリートについて解説します。

▼目次
質問内容:①カーボンネガティブコンクリートとは何ですか?
     ②カーボンネガティブコンクリートの技術的な内容についてもう少し詳しく教えて
     ③カーボンネガティブコンクリートの研究に関する国の取り組みや、実用化の状況を教えて

▼出演者の経歴
大阪大学 理学部物理学科卒、同大学大学院工学研究科 修士課程修了後
エネルギー系の商社(東証プライム市場)で、省エネ・創エネ提案、新規事業立上、営業企画運営、営業管理、設計、施工管理を6年間の在職中に実践した。
2015年ビジネスコンサルタントとして、SMCを設立し、多くの企業の脱炭素経営支援を行っている。
九州経済産業局 カーボンニュートラルアクセラレーションプログラム 専門アドバイザー、中小機構カーボンニュートラルアドバイザーを歴任し、脱炭素GXパートナーをサービスとして展開している。

▼トーク内容

≪インタビュアー≫
この動画は 脱炭素について合同会社GINの提供でお送りいたします
本日のテーマは ネガティブエミッション技術
カーボンネガティブコンクリートについてです
お相手は本日も合同会社GINの代表 中谷さんです
よろしくお願いいたします

≪中谷氏≫
よろしくお願いします

≪インタビュアー≫
以前の動画 CO2削減を実現するためのネガティブエミッション技術の概要を説明します
ネガティブエミッション技術の概要につい教えていただきました
今回はその続編として
個別の技術について勉強していきたいと思っています
カーボンネガティブコンクリートについて今日は教えていただけますでしょうか

≪中谷氏≫
はい
カーボンネガティブコンクリートというが 巷で少し話題になっています
コンクリートの製造過程で排出するCO2を減らして
さらに CO2を吸収した素材を混ぜ合わせることで製造工程全体で排出されるCO2を
ゼロ以下に引き下げたコンクリートのことです
コンクリートの材料となるセメント製造工程というのは非常に大量のCO2を排出する 特に焼きの工程があるのでそこでCO2を排出するがセメントの代替としてCO2排出量の少ない産業副産物 具体的に言うともうすでに何か焼いたものですね
を使うことによって、焼いたものを使うことによって 通常よりも 減らしたりCO2と接触してコンクリートを硬化せる素材などを
混ぜ込むことで排出量よりも吸収量が増えるカーボンネガティブを実現しています
ただ カーボン ネガティブ コンクリートの課題としては一方でCO2によって
金属にサビが発生しやすい 要はCO2があるので炭酸水 炭酸水って酸性ですよね
酸性っていうことは 金属が錆びるという原因になりますよね
ということで鉄筋コンクリートには使えないと 用途が限られる面があります
今後さらに普及させるためには コンクリートとしての性能を維持しつつCO2吸収量を増大させコストダウンをはかっていく必要があるとうふうに考えられています

≪インタビュアー≫
はい ありがとうございます
概要や課題について理解ができました
ではカーボンネガティブコンクリートの技術的な内容についてもう少し詳しく教えていただけますか

≪中谷氏≫
はい そもそもコンクリートはセメントっていうものに対して砂とか砂利とか水を加えて混ぜてドロドロにして固めたものでこの水を混ぜ合わせることで固まります
特に乾燥でなはく 化学反応で凝固するという作用によって固まっていくというものです
コンクリートの原料 セメントというのは石灰石ですね 焼成する
この焼成いう過程で 非常にエネルギーを消費するわけなんですけど
石灰石などを焼成して細かく粉砕して粉状にしたものになっています
その時にCO2を大量に排出するというようなことになっています
具体的に言うと セメント1トンあたりCO2排出量はだいたい720キロぐらいということで非常に多い CO2を排出するというふうになっています
カーボンネガティブコンクリートの技術に関しては原料を工夫してセメントの代替品使用したり
CO2を吸収して固定させる 固定化するときの硬化する素材を混ぜ合わせることで吸収量を多くしています
具体的に言うと セメントの代わりにですね
産業副産物 具体的に言うと石炭火力発電所で石炭燃焼時に生じるフライアッシュ
要は石炭を燃やした後に残る灰ですね
とか製鉄所の高炉で鉄鉱石を溶融・還元する際に発生する高炉スラグ等を用いることになって
もともと焼いたものなので副産物としてそれを混和するので もともともう焼いちゃって出たものなのでCO2は使いません
出ませんということになっています
具体的に言うと 例えば セメント100で作るものをセメント50のフライアッシュ
石炭灰ですね を50とかにすれば
その分CO2の排出量を減らしたコンクリートを作ることができるというような考え方です
この発展形としてバイオマス発電所のPKSがいわゆるヤシガラとかですね
灰ですね を利用するというものも技術開発はされています
それとCO2と反応してコンクリートを硬化させる素材っていうのがあって
主な原料である炭酸カルシウムを製造する際に 例えば 産業廃棄物とか産業廃棄物というのはボイラーとかですね
熱を使用する施設で出てくるCO2を吸収させて炭酸カルシウムを発生させるというような工程をすることによってCO2を吸収させた素材を作ったりとか あるいはそういったものがエコタンカルというふうによばれてますけど
あるいはγ-C2Sとちょっと特殊な物質を使ってその物質を使うとコンクリートが先ほどいった通り化学反応により凝固するときにCO2を吸収して硬化 凝固する作用があって そういったものを使うことによって
直接 空気中からCO2を吸収して凝固することになるのでそれは非常にカーボンネガティブな技術なっています
その技術は1トン固めるのにですね 0.5 トンのCO2を吸収するということで非常に効率がいい
これ理論上の話ですね 効率がいいようなかたちになっています

≪インタビュアー≫
はい
ありがとうございます
カーボンネガティブコンクリートの研究に関して国の取り組みとかあと このコンクリートの実用化の状況等を教えていただけますか

≪中谷氏≫
はい
国としては10兆円規模のGX移行債というのを発行してますけど
そのうち2兆円にグリーンイノベーション基金というのを活用して
新エネルギー・産業技術総合開発機構いわゆるNEDOですね
が研究開発の支援を行ってます
カーボンネガティブコントコンクリートの投資規模は最大10年で550億円
2兆に比べればそんなに大きい金額じゃないですけど550億円の投資をして 研究開発をするようにしてます
具体的にはコンクリート分野におけるCO2排出削減
固定量の増大とコスト低減の両立に向けた技術開発とかセメント分野における製造工程の効率的な CO2分離・回収技術の確立 これまあ 先ほど焼成するときに一つ排出しますよっていうCO2の分離ですね
回収したCO2のセメント料化に向けた技術開発
うまく炭酸カルシウムに戻せればですね非常にいいことになるのでそういったところで
技術開発の30年度まで継続的に支援するということを考えているそうです
実用化の状況としては委託先のひとつで大手ゼネコン スーパーゼネコン 鹿島建設 竹中工務店 それとデンカの3社が幹事するコンソーシアム「CUCO(クーコ)」というのがあるんですけど このCUCOによってCO2排出量実質ゼロ未満にできるコンクリート製の型枠を開発しています
国交省が発注するトンネ工事 埋め込み型枠としてすでに適用して使われているというような実用例があります
今後CO2の排出量を減らすために排出量を減らすというか排出された分を空気中のC02を減らすDAC(Direct Air Capture)に近いような形になると思いますけど ということで ネガティブコンクリート
カーボンネガティブコンクリートは非常に着目されている技術となっています

≪インタビュアー≫
はい ありがとうございました
もうすでに実用化もされ始めている技術ということで非常に注目だなというふうに思いました
今日もありがとうございました

≪中谷氏≫
はい どうもありがとうございます

≪インタビュアー≫
またよろしくお願いします

≪中谷氏≫
よろしくお願いします