▼概要
 持続可能な航空燃料SAFについて解説します。

▼目次
 質問内容:00:38~ ①SAFってなに?メリットやデメリットが知りたい
      01:56~ ②SAFの導入動向について教えて
      03:28~ ③SAFの供給体制について教えて

▼出演者の経歴
大阪大学 理学部物理学科卒、同大学大学院工学研究科 修士課程修了後 エネルギー系の商社(東証プライム市場)で、省エネ・創エネ提案、新規事業立上、営業企画運営、営業管理、設計、施工管理を6年間の在職中に実践した。 2015年ビジネスコンサルタントとして、SMCを設立し、多くの企業の脱炭素経営支援を行っている。 九州経済産業局 カーボンニュートラルアクセラレーションプログラム 専門アドバイザー、中小機構カーボンニュートラルアドバイザーを歴任し、脱炭素GXパートナーをサービスとして展開している。
Facebook  中谷豪太

▼トーク内容

≪インタビュアー≫
この動画は 脱炭素について合同会社GINの提供でお送りいたします
本日のテーマは、持続可能な航空燃料「SAF」についてです
お相手は、本日も合同会社GIN 代表の中谷さんです
よろしくお願いします

≪中谷氏≫
はい 中谷です よろしくお願いします
よろしくお願いします

≪インタビュアー≫
私もいろいろ中谷さんに教えていただいてですね
カーボンニュートラルに興味を持っていろいろ記事を読んだりしています
その中で、今日はですね
大気中の二酸化炭素を増やすことなく、飛行機を利用できる「SAF」というのが注目されているということをですね
この辺りのところを、今日は教えていただけますか

 ≪中谷氏≫
はい
「SAF」というのは
まぁちょっと難しいんですけど「Sustainable Aviation Fuel」
日本語にすると「持続可能な航空燃料」の略称です
循環型の原料で製造された航空燃料で
航空機っていうのは、輸送単位あたりの二酸化炭素排出量が非常に多い交通機関
まあ電車とかですね
まあそういった
電車とか電気自動車に比べて非常に多いかたちになってるんですけど
二酸化炭素の排出量が少ない「SAF」の評価が非常に高まっているというような状態になっています
「SAF」は、植物の光合成を経由して、人工的に大気中に存在する二酸化炭素から炭素を取り出して製造するという方法を使っています
現状ではコストなどの課題が多くて、最も多く使われているのは「廃食油」が原料となっています
まあ、使用済みの揚げ物の油って言った方がわかりやすいかもしれないですね
「SAF」のメリットは、二酸化酸素排出量を削減できる、既存のインフラが使える、国産の原料で作ることができるという三点があります
ただし、その「SAF」のデメリットは、製造コストが高いということで、原油から生成する航空機燃料はリッターあたり100円に対して
この「SAF」に関しては倍の200円から16倍の1600円と「非常に高い燃料」というふうになっています

≪インタビュアー≫
ありがとうございます
「SAF」定義とか、略称とかですね
メリットやデメリットについても、理解ができました
次に、実際に導入の動向は、どのようになっているのかというのを教えていただけますか

≪中谷氏≫
はい
他のカーボンニュートラルの動きもそうなんですけど、やはりEUの動きが非常に早いようなかたちになってまして
2023年の4月にヨーロッパの航空会社に対して「SAF」の使用目標を義務付けることで合意されています
環境に優しいグリーン燃料市場の立ち上げと航空業界の二酸化炭素排出量削減が狙いというふうに考えられています
燃料供給会社は ヨーロッパ、まあEUですね
EU域内の空港で使用する燃料について「SAF」の割合を、2025年には2%、これは割と軽いんですけど
まあ、ただそこから義務付けですね
その後、2030年には6%、2035年には20%、2050年には70%
と段階的に引き上げられる予定となっています
3035年というと、あと、10年後ですので
10年後で20%というとかなり重たいようなかたちになっていますね
一方、日本の政府の動きとしては
「GX基本方針」っていうのが出てまして
この中に2030年時点のSAF使用量について
日本のエアライン、具体的に言うと「ANA」とか「JAL」が筆頭だと思いますが
燃料使用量の10%をSAFに置き換えるというふうに明記しています
これは結構、EUでも2030年で6%なんで、まぁ、かなり早い動きをするようなことを考えていると言えます
供給側でも 義務化への動きが進んでまして、石油元売りといいますと
「ENEOS」さん、「昭和シェル」さんとか
まあ、そういった会社ですが
石油元売りに2030年10%に見合う供給目標を設定する方針を表明しています

≪インタビュアー≫
はい、ありがとうございます
導入の動きは、進んでいっているようなんですけども
この「SAF」
実際に供給するっていうのは、体制とかは、大丈夫なんですかね?

≪中谷氏≫
現状、一応そういう動きになってまして
まあ、特にその石油業界ですね
資源エネルギー庁は、国内のSAF需要は2025年から徐々に増えて
2030年には、171万キロリットルと
まあこれは、先ほど言った全体の10%というふうに試算しています
国内での燃料油需要が、年に1%減っていく見通しの中、SAFは製油所の桟橋
っていうのは、要は中東とかですね
アメリカから油が来た時に桟橋を使って、石油の受け入れをするわけなんですけど
そういった桟橋やその配管設備など、そのまま活用できるということもあり
統廃合が進む製油所の跡地活用方策として、重要な事業として位置づけられています
鉄の業界もそうですけど、そういった製油所に関しては
統廃合というのがかなり進んでいる状況になっていて
その資源をどうやって活用していくかというのは課題になっていると
いうのが、1つ挙げられているということですね
これに関して、先行するコスモ石油に関しては、廃食用油を原料とするSAFの工場を稼働させてまして
2030年には、年間30万キロリットルを製造する計画となっています
一応、目標としては171万キロリットルですんで
まあそれの5分の1くらいですかね
供給するような計画というふうになっています
また、こういう動きに乗じてですね
廃油の価格が非常に上昇しています
世界中でSAFの仕様が広がる中、国内でも製造が始まることもあって
原料となる「廃食油」の需要も伸びてきています
廃食油は争奪戦となっています
国内の飲食店など事業所から回収される廃食油38万トンのうち
大半は過去には家畜の飼料に再利用されていたんですけど
近年はSAFの製造工場がある国への輸出っていうのが急増してまして
取引価格は、一年足らずで約三倍に跳ね上がったというような状況になっています
今後、うまく進んでいけばいいですけど、、、供給持てばいいですね

≪インタビュアー≫
はい、ありがとうございます
国内で「SAF」の製造も始まっている中で、この原料の廃油の価格が上昇しているという課題があることが分かりました
まあでも、この課題をですね、なんとか解決して「SAF」の使用目標が達成されるといいなというふうに思います

≪中谷氏≫
はい、ありがとうございました

≪インタビュアー≫
どうも今日もありがとうございます